マグロが清水港
にやってくるまで
マグロが清水港にやってくるまで
清水港は、冷凍マグロの水揚げ量が日本一です!
日本で食べられるマグロの約半数が清水港で揚がっ
ています。
清水港にやってくるマグロたちについて
ご紹介します。
マグロってどんな魚?
マグロは、沿岸から外洋域に至る広大な海を泳ぎまわる「高度回遊性魚類」です。(熱帯まぐろ類のメバチ・キハダは、あまり基礎的な回遊をしない場合があります。)
また、エサを捕まえるため高速で泳ぎます。通常は時速30~60㎞くらいですが、最高では時速160㎞で泳ぐとの報告もあります。
呼吸をするために口を開けて泳ぐのも特徴です。泳ぎを止めてしまうと窒息してしまうため、夜間も十分な睡眠をとらず泳ぎ続けます。
どんな種類がいるの?
マグロは7種類いますが、食用になるのは主に以下の5種類です。
クロマグロ・
タイセイヨウクロマグロ
クロマグロは日本近海、台湾、米国、メキシコ東岸で獲られます。脂の乗ったものは味も値段も最高で、市場では「本マグロ」と呼ばれています。北大西洋にはクロマグロの近縁種であるタイセイヨウクロマグロがおり、クロマグロ同様高級魚として珍重されています。
ミナミマグロ
オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ沖の南半球で獲られます。クロマグロの次に大きくなるマグロで、脂乗りが良い高級マグロです。
メバチマグロ
赤道をはさんで南北の緯度35度にわたる広い海域で獲られます。
赤身がきれいなマグロで漁獲量も多く、目玉がパッチリしていることから「目鉢マグロ」と呼ばれています。クロマグロやミナミマグロよりも資源量が多く、また赤く鮮やかな中トロが取れることから刺身として好まれています。
キハダマグロ
メバチとほぼ同じ海域で獲られます。体型がスマートで、あっさりとした赤身の味が特徴です。肌が黄色いことから「黄肌(きはだ)マグロ」と呼ばれています。
ビンナガマグロ
世界中の海で広く獲られている小型のマグロで、長い刀状の胸ビレが特徴です。未成魚はエサを食べるために水の冷たい高緯度まで回遊します。
別名「トンボマグロ」とも呼ばれ、また脂の乗った時期の肉は「ビントロ」という名前で好まれています。
どんな漁で釣るの?
美味しいお刺身として食べられているマグロは、その多くが「はえ縄漁」によって獲られています。
はえ縄漁とは、「幹縄(みきなわ)」と呼ばれる長いロープに、「枝縄(えだなわ)」と呼ばれる短いロープを一定間隔に複数つなげ、それぞれの枝縄の先にエサと釣り針を取り付けて釣る漁のことをいいます。
マグロの種類によって生息する水深が違うため、それぞれに合わせてロープの長さを設定します。
大型船での遠洋マグロはえ縄漁
投下する釣り針:2,000~3,000本
投下する距離:100~200km
投下にかかる時間:4~5時間
取り込み時間:10時間以上
漁具も進化!
はえ縄漁業は、マグロを取り込むまでに時間がかかるため、掛かった魚が死んでしまうことがあります。死んでしまうと価値が下がってしまうため、マグロを生かしたまま釣るために開発されたのが「まぐろ鈎」です。
まぐろ鈎は、マグロのあごに掛かる形状をしているのが特徴です。
獲ったマグロはどうやって運ぶの?
遠い海で獲ったマグロは輸送に時間がかかるため、マグロ漁船から「冷凍運搬船」に積み替えられ、冷凍されて運ばれます。凍結温度が高いと身が変色してしまうため、-60℃で保冷され数カ月かけて清水港へやってきます。清水港で水揚げされた冷凍マグロは、大きな冷凍倉庫で保管され、そこから加工場へ運ばれたり全国へ流通します。